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2020年12月21日

終活の進め方、いつから遺言やエンディングノートで相続対策をする?

近年、「終活」という言葉を聞くようになったかと思います。

この終活について、相続の観点からしておきたい事柄についてご説明します。

 

終活の意味とは? 増えてきたおひとりさまの終活

終活と聞きますと、どのようなことを思い浮かべますでしょうか?

終活とは、人生の終わりに向けて老後の身辺整理などを行うことで、人生の終わりと向き合うことです。

一般的には、葬儀や相続について自分で決めておくことで、終活により相続をスムーズに終わらせることも可能となります。

また最近は、様々な事情により老後に一人暮らしをする「おひとりさま」も少なくありません。

おひとりさまの相続では、本人しか財産などを把握していなかったために時間がかかったり、上手くいかなかったりすることもあり、終活をしておくことはとても大切でしょう。

 

この終活について、相続のためにしておきたいことや進め方などをご説明します。

 

終活はいつから始める?

人生100年時代と言われるようになりましたが、いつ何が起こるかわからない時代ですし、いつから終活を始めても遅くはありません。

始めておいた方が良い年齢の目安としては、40歳位などある程度の財産を築き、子どもなど相続人のいる世代から始めることをおすすめいたします。

 

終活の進め方について

相続を行う際に、まずはどのような財産がどれくらいあるかを把握し、そこから遺産分割や相続税について考え、相続を進めていきます。

そこから終活の進め方を考えますと、自宅に何がどのくらいあり、相続ではどのようなことが必要かを把握し、相続人たちが困ることのないような準備をしておいた方が良いでしょう。

そのためには、まずは家の片付けを行い、把握した財産からエンディングノートや遺言書を作成することをおすすめいたします。

 

まずは家の片付けなどの生前整理から始める

終活を始めようと思いましたら、まずは家の片付けを行いましょう。

どのような財産がどれくらいあるか把握するという目的もありますが、物を片付けて整理することで転倒などのリスクを抑えることもできます。

 

片付けをする時期としておすすめしたいのは、3月など暖かくなる時期です。

大晦日に大掃除をするからその時に、と思われる方も多いかと思いますが、寒い時期の片付けは汚れも落ちにくく非効率であるとも言われています。

暖かくなる時期に、清掃も兼ねて片付けをすると良いでしょう。

 

エンディングノートを作成して重要書類の保管場所を残す

エンディングノートは、遺言書のように書き方の決まりがなく、書いておく内容や形式などは自由です。

自分が書き残しておきたいことを好きなように書いて問題はありませんが、被相続人にしかわからない重要書類の保管場所や財産について記してあると、相続の際に相続人はとても助かるのではないでしょうか。

ただし、エンディングノートを悪用されたり紛失したりすることを考えて、銀行口座やクレジットカードなどの暗証番号は書かないことをおすすめいたします。

何を書き残すか迷う方は、相続税対策:生前対策「エンディングノート」などを参考に作成してみましょう。

 

ネット銀行の預金を知らせておく

ネット銀行やネット証券は、口座を使用するための通帳がなかったりすることが多いかと思います。

また、ビットコインなど仮想通貨やFXなどの口座を開設していた場合、インターネットでの取引であり本人以外はわからないことも多いでしょう。

これらをご利用されている場合には、エンディングノートや遺言書などに遺しておかなければ、その存在に気づいてもらえないことが多くあります。

口座に預けられたまま一定期間を過ぎた預金は、改正により国庫に入ってしまうことになりましたので、相続で把握漏れしないためにも知らせておきましょう。

詳しくは、コラム「休眠口座の預金は消滅時効で没収される? 休眠口座にしないためには」でご確認ください。

 

口座凍結の対策と預貯金の引き出し制度

銀行口座は相続が発生したことを銀行員が知った時点で口座凍結されますが、その他にも認知症であることが判明した時点で、銀行口座は凍結されます。

また、認知症であることがわかった時点でも銀行口座は凍結されることもあります。

解除方法などについて、詳しくはコラム「認知症で銀行口座は凍結される? 口座凍結の解除方法と対策」でご確認ください。

 

自分の意思をしっかり伝えられるうちに、口座凍結されても相続人が困らないような対策などをしておきましょう。

平成30年(2018年)度民法改正では、凍結された亡くなった人の銀行口座から葬式費用などの預貯金を引き出せるようになりました。

ただし、金額は一定額であるのと、認められないと引き出せないため、何かしらの対策を行うことをおすすめいたします。

 

遺言書の作成について書き方など

終活を進めていく中で、ある程度エンディングノートなどの作成を終えましたら、具体的な相続について考えていきましょう。

相続が争続にならないための争続対策として、遺言書の作成をおすすめいたします。

民法改正により、自筆証書遺言などの作成が行いやすくなりましたので、コラム「自筆証書遺言の形式と保管制度が変わり、自筆遺言作成が手軽に?」で確認しておきましょう。

 

介護による特別寄与料や配偶者居住権など民法改正で相続税評価も変わる?

遺言書を書いていくにあたり、誰にどのくらい財産を遺すか考えていくかと思います。

平成30年(2018年)度民法改正により、新たに特別寄与料の請求権配偶者居住権などが創設されました。

これらにより相続税評価なども変わってくることが考えられますので、その点にも考慮して遺言を書いていくことをおすすめいたします。

コラム「相続税における配偶者居住権などの評価額と登録免許税など(2019年度税制改正)」などもご確認ください。

 

葬儀・お墓の生前契約

終活を進めていく中で、葬儀やお墓について生前予約、生前契約を考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

生前に決めておくことで、最後まで自分らしく人生を締めくくることができますし、亡くなった後にたくさんの手続きがある中、家族に負担をかけずに済みます。

残される家族からしますと、生前に契約されていますと助かりますが、注意しておきたいこともあります。

 

それは、葬儀社やお墓の選び方です。

葬儀について生前に契約していた葬儀プランから変更したり解約したりできるか、または葬儀社の経営が安定しており無事に葬儀できるかには注意しておく必要があります。

また、お墓に関しても、墓地まで家族が気軽に行ける距離の場所であるか、維持費などの金額プランはどうなっているのか考えておきましょう。

 

終活の最後には

身の回りの片付けをして、相続の対象となる財産を把握し、相続について遺言をまとめ、葬儀やお墓など人生の最後を彩るイベントの準備まで終わりますと、これでほとんどの終活は終わります。

残された終活は、人生最後の日まで自分らしく生活することです。

これまでしてみたかったこと、一度はやってみたかったこと、最後にしておきたいことなど、後悔のないように過ごすと良いでしょう。

 

終活は自分と家族のために

終活という言葉だけ聞きますと、人生の終わりというマイナスなイメージを抱く方もいらっしゃるかと思います。

終活を始めることで、これまでの人生を振り返ることができ、終活を終える頃には最後まで有意義に、充実した日々にしようと前向きに行動できるかもしれません。

また、相続に対する不安もそれぞれ解消でき、残りの時間を家族と大切に過ごせるようにもなるでしょう。

人生の最後に不安を持ち越さないようにも、はやめに終活を始めることをおすすめいたします。

終活や相続、遺言作成について不安なことがあれば、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

 

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