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2020年8月7日
2018年7月6日に民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律が成立、同月13日に交付され、遺言による遺留分の取り扱いや、生前贈与の対象期間が変更されました。
原則として、2019年7月12日までの政令で定める日に施行されます。
遺留分の金銭債権化と、生前贈与の対象期間10年の変更についてご説明します。
これまで、遺言により遺留分が侵害されていた場合、遺留分減殺請求により最低限の相続分が請求されていました。
その財産が不動産などの現物だった場合、家庭裁判所での調停に持ち込まれ、財産を共有したり現金化したりすることになり、被相続人の意思を尊重した相続とならないことがありました。
今回の民法改正により、遺留分の取り扱いが変わり、原則として遺留分を「金銭債権化」することとなりました。
これまでは、遺留分が侵害されていた場合には、調停により財産共有や、売却して現金化となったため、場合によってはトラブルとなることもありました。
また、現金化するとしても、遺留分のある人が同意しなければ売却することができず、会社経営の場合などは経営に支障が出ることもありました。
民法改正により、遺留分侵害額請求された場合は金銭で遺留分を支払うことになりました。
これにより、これまでの遺産共有で起こっていた、会社経営に支障を来したり売却が難しかったりした問題が解決されると考えられています。
会社経営をしていた父親(配偶者は亡くなり、息子2人)が、遺言で「全遺産(2,000万円の自宅不動産と1,000万円の会社株式)を長男に相続」などと書き残していたとします。
次男は遺留分が侵害されることになり、遺留分減殺請求したとします。
これまでであれば、不動産の1/4は次男の持ち分に、会社の1/4も次男の持ち分になり、財産を共有することになりました。
民法改正後は、遺留分侵害額請求により遺留分の金銭を支払うことで遺産分割できるようになりました。
長男が次男の遺留分1/4である750万円を用意できれば、遺留分を金銭で解決できます。
これまで遺留分の計算で含めてきた相続人に対する生前贈与の対象期間が、期間制限なしから10年へと変更されます。
遺留分の金銭債権化と合わせて確認しておきましょう。
遺留分を計算する際には、遺産だけでなく生前贈与した財産も計算に含めます。
これまで、相続人対して生前贈与した財産については、期間制限なしで含むことになっていました。
今回の民法改正では、生前贈与の対象期間を10年に限定することとなりました。10年前までの生前贈与した財産まで、計算に含まれますので、注意しておきましょう。
生前贈与には、子への住宅購入資金贈与や孫への教育資金贈与、贈与税の配偶者控除などがあります。
生命保険を活用することで、相続で効果的な節税もできます。
効果的な節税をしつつ、財産をきちんと渡すことができますので、制度を有効活用するため確認しておきましょう。
対策一覧の生前贈与や生前対策もご確認ください。
遺留分が原則として金銭債権化することで、遺言に残された意思を尊重した相続ができるようになりました。
民法改正により、これまでとは異なった問題が出てくることも考えられますので、意思を尊重した遺言作成や生前贈与について考えておきたいものです。
弊社では、それらを活用した効果的な対策なども承っていますので、ぜひ1度ご相談ください。