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2020年12月29日
家族信託とは、生前に財産管理を信頼できる家族に託すことです。
この制度を利用することで、相続で起こりうる問題を防ぐなどのメリットもありますが、できないことや注意点もあります。
今回は、家族信託でできることによるメリット・デメリットと注意点などや、その他の信託との違いについてご説明します。
信託契約をすると、委託者の財産であったものは受託者の管理する信託財産となります。
相続を設計して財産管理を自分以外に託すことで、認知症になった場合の口座凍結や亡くなった場合の遺産分割に備えることができます。
思い出していただきたいのですが、被相続人が亡くなったら口座が凍結され、遺産分割協議が終わり相続するまで口座が引き出せず、葬儀や様々な出費の支払いができないということはありませんでしたでしょうか。
家族信託であれば、被相続人が亡くなった後も、すぐに預金を引き出せるようにすることが可能です。この家族信託でできることやメリットについて、詳しくご説明します。
家族信託により、相続においてメリットが多くあります。
ですが、信託を契約するかどうかは、信託によるメリットとデメリットを比較して、その上で信託の計画を立てることが重要です。
それでは、家族信託できることやそれによるメリットについて確認していきましょう。
先述しましたように、委託者が生きている間に財産管理を家族に託すことができるため、仮に認知症などになっても口座凍結を心配する必要はありませんし、突然亡くなってもスムーズに相続することができます。
通常の相続では、相続人や親族などに使い込みをするような人がいる場合、いつの間にか相続財産が減っていることなどがあるかと思います。
また、相続財産を一括で受け取ることにより、浪費してしまうことも考えられます。
家族信託では、そのようなことがないように信頼できる家族に管理を託し、使い込みや浪費を防ぐことが可能です。
家族信託を契約する際に、信託によりできないことや注意しておきたい点はあります。
家族信託をしてしまいますと、委託者の個人財産と信託財産において、損益通算することはできなくなります。
また、信託財産に損失が生じた場合も、翌年に繰り越すことはできません。
信託財産に不動産収入がある場合には、この点に注意しておきましょう。
信託による1番のデメリットとしては、税務申告の手続きが増えてしまうことです。
税務申告の手続きは固有財産と信託財産を別に計算する必要があり、さらに提出書類の作成が増えて負担となることが考えられますが、普段から税理士などに依頼している場合には問題ありません。
生命保険を利用していた場合、家族信託後には生命保険の管理も任せることができますし、家族信託の契約後に、生命保険を利用して節税することも可能です。
家族信託ではなく生命保険信託を利用することで、保険金の受け取りを委託者が設計することができます。
生命保険信託は、死亡保険金を保険会社が預かり管理し、契約者が決めた受取人に決めた金額・時期に保険金が支払われます。
受取人がうまく財産管理ができない場合有効です。
また、最初に決めた受取人に、万が一のことがあった場合の月の受取人を決めておくこともできます。
この際に注意しておきたいのは、家族信託では受託者が家族であり報酬は必要ありませんが、生命保険信託では生命保険会社に管理を任せることになり、報酬の支払いが必要です。
一般的な相続対策である遺言に関連して、遺言信託や遺言代用信託という言葉を聞いたこともあるのではないでしょうか。
家族信託とそれらの明確な違いとしては、遺言が必要となるかどうかですが、具体的には信託の方法が異なります。
信託銀行などの提供する遺言信託は、遺言作成のサポートや保管サービスと、遺言による信託の2つがあります。
遺言作成のサポートを行う遺言信託では、遺留分などに注意して遺言書の内容を実現するためのサービスであるため、遺言作成以外の対策を行うことはできません。
遺言による信託を行うサービスは、遺言で信託の設定をするもので、信託財産を委託者から受託者へ信託するサポートを行うものです。
遺言信託をする場合、信託銀行は自筆証書遺言など自筆の遺言は保管することができず、公的証書遺言のみの保管となる点には注意しておきましょう。
自筆証書遺言については、コラム「自筆証書遺言の形式と保管制度が変わり、自筆遺言作成が手軽に?」でもご確認ください。
遺言代用信託は、遺言を作成して信託を設定する点は同じですが、信託契約により受託者が財産管理を行い、委託者が亡くなった際に受託者から受益者へ信託財産を引き継ぎます。
委託者から受益者へ渡す信託財産を、受託者が一時的に管理するものであり、通常の遺言による相続と同様のものです。
遺言と異なる点として、遺言代用信託は遺産分割協議をする必要はなく、口座凍結されることもないため、葬儀費用などを引き出すことができないなどの事態も防ぐことができます。
口座凍結に関して、今回の改正により相続手続き前でも故人の凍結口座から預貯金を引き出しできるようになりました。
家族信託をいつから考えておいた方がいいか、明確に何歳から相続対策をしていくべきかなどの基準は特にありません。
ですが、財産がどのくらいあり、相続をどのようにするか考え始めた段階で、家族信託について検討すると良いのではないでしょうか。
家族信託の設定にかかる契約書の作成、遺言書の作成については、弁護士や司法書士と進める必要(税制面では税理士がサポート)があります。
信託口座の開設や信託の登記には、一定の時間がかかりますので、はやめに考えておきましょう。
税理士法人フォーエイトでは、弁護士や司法書士をご紹介させていただき、家族信託の設定や遺言書の作成にご協力いたしますので、ぜひご相談いただければと思います。