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2018年6月29日
相続が発生した際に、遺言がない場合は、相続人で遺産分割協議を行って遺産を分割します。
しかし、相続税の申告期限までに遺産分割協議ができない場合はどうなるのでしょうか。
今回は、申告期限までに遺産分割協議ができない場合のデメリットをお伝えします。
相続税の申告期限は、相続が発生したことを知った日の翌日から10か月です。
この相続税の申告期限までに遺産分割協議ができることが望ましいですが、様々な事情でできないこともあるのではないでしょうか。
その際のデメリットについて考えておきましょう。
遺産分割協議が相続税の申告期限までに終わらなかった場合、様々なデメリットがあります。
相続税には、負担する税金を減額してくれる特例がいくつかあります。
それらの特例は、原則として遺産分割協議を終えてからしか適用させることができません。
そのため、税額控除が適用できなくなり、相続税額が高くなります。
被相続人が不動産の賃貸や事業などを行っていた場合、所得税の更正の請求ができないことが考えられます。
分割前の相続財産から取得する収入は、相続分で取得したものとして所得税の計算を行います。
しかし、分割後はそれでまでに発生した所得税を多額に納付していても、所得税の更正の請求をすることができません。
更正の請求とは、払い過ぎてしまった税金を返してもらうための制度です。
税額を多く申告・納税していたり、申告した控除額や項目が少なかったりした場合に適用されます。
この請求は、税務署に申請して行います。
個人の預貯金は相続財産であるため、死亡が分かった時点で口座が凍結されます。
遺産分割協議が終わり、分割される際におろすことができます。
相続税の支払いは、基本的には現金であるため、相続税が払えないことで、不動産を売却しなければいけなくなることもあります。
そのような際には、不動産の相続ができない場合には名義変更もできないため、売却もできないこととなります。
遺産分割協議がまとまらなかった場合、裁判となることもあります。
弁護士の介入を依頼した場合には、弁護士費用などがかかってきます。
物納とは、相続税の納税をするための資金がない場合、相続財産をそのまま相続税として支払うことです。
相続財産が未分割の場合は、共有財産とみなされるため、物納することができなくなります。
ただし、その共有財産の所有者全員が、全ての持分を物納する場合は可能です。
これらのデメリットを少なくできるように、対策できることはあるのでしょうか。
被相続人の遺言は、何よりも優先されます。
遺言は絶対であると言うほどの効力があるため、遺産分割協議で争うことが考えられる場合は、被相続人が生前に話し合いで決めておくと良いでしょう。
相続税申告期限までに遺産分割協議ができない場合でも、相続税の申告を行い、税務署長の承認を受けておきましょう。
遺産分割協議が終わっていなくても、相続税が発生することを申告しておくことで、小規模宅地の特例などを適用させることができます。
この申告では、それぞれの相続人が法定相続分で財産を取得したことを仮定し、計算して相続税申告を行います。
その申告の際に、「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付します。
この手続きを行うことで、申告期限から3年以内に遺産分割がされた場合に、特例を適用できるようになります。
相続税を多め、少なめに申告・納税しておく方法です。
しかし、相続税を少なめに申告・納税した際の修正申告では、場合によっては延滞税などが加算されてしまうこともあります。
そのため、相続税を多めに申告・納税をしておき、遺産分割協議を終えた後で更正の請求を行うのも1つの手でしょう。
相続税申告は、申告期限までに遺産分割協議ができることが望ましいでしょう。
ですが、相続人が海外にいたり、まとまらなかったりなど様々な理由で終わらないこともあるかと思います。
そのような場合にも、とりあえず法定相続分で計算して申告しておくことをおすすめします。
また、遺産分割協議ができない場合のデメリットを考慮し、生前から考えておくと良いかもしれません。
相続税申告などでお困りの場合には、ぜひ税理士法人フォーエイトにご相談ください。